
自由サラダ工場に勤めていたとき
私は恋に落ちた
その娘は夏の間だけバイトにきていた
私は彼女にマヨネーズのかけ方を指導した
白くて細長い指先の上に
私の手をのせると
ああ
いつも冷たかったっけ
自由サラダ工場の裏には
ヒナギクが咲き誇り
午睡の呼吸のように風で揺れていた
黄色と白色の移動だ
遠くには小川が流れ
さらさらと本がめくれるような音がしていた
私と彼女は寝転んで
白い雲をながめた
彼女は重大な秘密を教えてあげる
と言って
目を細めた
ほら
こうしてみるとね
地球が自転しているのがわかるの
私も試してみた
でも
私にはわからなかった
私は彼女が好きだったので
わかるように努めてみた
私は幸せだった
自由サラダ工場での
つかの間の恋
いま
彼女はあのときの秘密を
だれと分かち合っているのだろうか
時の流れは
世界を非・自由サラダ工場にしてしまう
私には
地球の自転が見えるだろうか
あるいは
それを素晴らしいことだと思えるのだろうか
「ロワールの洞窟」は小説で、こちらは詩。しかし、区分けは気にせず拝読しています。
この「自由サラダ工場」はこの前の記事と工場つながりもあり、・・・。
生きてゆく中で、いろんな言葉を覚えてきましたが、こういう感覚を表現する言葉がわかりません。とにかく、この詩を大切にします。
susanさん、どうも。
この詩は実は数年以上前に書いたもので、机のなかで眠っていたものです。
やっと読者を見い出せ、嬉しい限りです。
ここに載せる「小説」「詩」のカテゴリー記事の多くは過去のものばかりですが、どうにもこうにも気恥ずかしさのほうが先立ってしまいます。
「ロワールの洞窟」は何も考えないまま書いたのですが、最初の掲載時から手を加えています。ときどき手をくわえてアップデートさせるにはブログのシステムは最適ですね。
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