iPodの進化に見る「単機能デバイスの終わり」の可能性
音楽プレーヤーから多機能デバイスへと進化したiPod。「汎用デバイスは専用デバイスに勝つ」というジョブズ氏の言葉通り、1つの機能しかないデバイスは敗北するかもしれない。
1つの機能しかないデバイスを消費者が買う時代は終わりに近づいているのかも、というe-Weekの記事です。記事の元はAppleのスティーブ・ジョブズのこの発言から、です。
「これからも専用デバイスは存在し続けるだろう」とジョブズ氏は語った。「1つの機能しかないという点にも幾つかのメリットがあるかもしれない。だがわたしは、汎用デバイスが勝利すると思っている。人々はおそらく、専用デバイスに進んでお金を払いたがらないだろうから」
汎用機か専用機か、という議論はいつの時代にもあるんですけど、要はどういう他の技術をどういう風に実装するかというバランスの問題でしょうね。
昔CISCOがデビューした時は「ルーティングを汎用UNIXマシンにやらせるのはバカ」と言ってて、確かにその通りだなあ、と思ったし、ミラポイントがメールに専用のアプライアンスを発表したときも最初は「えっ?」と思ったものの、その後のスパムメールやらフィルタリングの必要性なんかを考えると専用機として独立させて処理させた方がいい場合もあるわけで。
専用機より汎用機、ということで例えばCISCOのルーターにカメラが付いたりMP3が再生できたりしても「なんじゃそりゃ」になるわけで。
普通に考えると日本のケータイ電話みたいに使わない機能をてんこ盛りにされて高価格が維持されているのを見ると、余計なのいらないからその分安くして、というニーズが生まれてくることも理解できます。
リンク先記事中にはiPhoneでは音楽を聴いたり、ゲームをプレイしたりできると言っていますが、ゲームのジャンルにもよりますが、たいていの場合iPhone上のゲームのインタフェースは劣悪で専用機には全然勝てません(ただし、ちょっとした時間つぶし用のカジュアルなゲーム用途では問題ないです)。
iPod nanoにFlipのような動画撮影機能がついた、というのもいい面もあるし悪い面もあります。iPod nanoで撮影できるのはVGA程度のクオリティ(それでOKという人もいるしHDじゃなきゃもういや!って人もいる)だし、ビデオ撮影してたらバッテリーなくなって音楽聴けなくなっちゃった、って場合もあるわけです。
まあ、リンク先記事は「汎用機がよくて専用機はだめ」じゃなくて「専用機の販売数というのはかなり減るでしょうね」ということであり、それはもしかしたらそうなるかもしれません。VGAレベルでOKという人はたくさんいるだろうし、モバイルビデオカメラで気軽に撮影できることを経験した人がVGAに不満を漏らし、HDに対する欲求が出てきた頃にはきっとiPod nanoもHD対応になっていることでしょうから。
シンプルさをセールスポイントにアピールしてきたAppleなのでスティーブの今回の発言は基本「ポジショントーク」と思った方がいいのかもしれません。
ちなみに全然想像できない2つの機能とかが一体化された「なんじゃこれ」的デバイスは結構好きです。



