明朝体ファンに送る『市川崑のタイポグラフィ「犬神家の一族の明朝体研究」』
現在の映像表現に多大な影響を与えた映画監督、市川崑。 彼の独特な明朝体表現は、テロップ表現の古典的スタイルとして定着しつつあるが、その研究・分析が行われることはほとんど無かった。 L字型極太明朝体の表現は何を指し示しているのか。 代表作「犬神家の一族」を中心とした数々の作品を材料に、映画評論、デザイン評論の二つの視点から切り込む。
中途半端じゃない明朝体、つまり徹底的に細いか太い明朝はアートの一部であり、直接的にメッセージを伝える媒体として非常に有効なわけですが、そんなわけで極太明朝体といえばやはり市川崑ですね。
例えばこんな感じ。エヴァンゲリオンのファンの方であればなんかぐっとくるものがあるのではないでしょうか。
金田一耕助の事件匣 市川崑×石坂浩二 劇場版・金田一耕助シリーズ DVD-BOX
さて、そんな市川崑のタイポグラフィについて明朝体を中心に分析している本が出るようです。目次的にはこんな感じ。
序章 「犬神家の一族」の周辺 市川崑タイポグラフィの影響/七〇年代の金田一耕助ブーム/問題のありか/明朝体の系譜
第1章 市川崑明朝体の正体 金田一耕助の推理/「犬神家の一族」明朝体の条件/書体のウエイトと容疑者たち/金属活字の時代/写真植字とは何か/容疑者たちの素性/エッジの処理と印刷適正/髭あり書体と髭なし書体/手型あわせと共犯者/混植組版の理由/事後共犯はミスか/市川崑の姓名/井上刑事が指し示す真実/書体に託した意味 /『悪魔の手毬唄』『獄門島』『女王蜂』/市川崑明朝体の正体/市川崑の関与
第2章 市川崑明朝体のレイアウト レイアウトの分析手法/出版物のフォーマット/レイアウトグリッドの機能/映像のなかの文字/『犬神家の一族』の特殊な画面比/四種類のレイアウトグリッド/気配りのレイアウト/グリッドの変遷とその理由/縦組横組のレイアウトパターン/L型配置の変化/市川崑がめざしたもの/『病院坂の首縊りの家』
第 3章 市川崑タイポグラフィの作法 市川崑の作法/映画の文字の目的指向性/市川崑作品の書体分類と題字/特太の明朝体とにじみの作法/巨大明朝体の作法/小道具の新聞作法/読書行為を暗示する作法/L型配置の作法/極小題字の作法/タイプフェイスの導入/見出明朝体とL型配置の融合/混植と変形の作法/ゴシック系書体の作法/レイアウトグリッドの作法/「記録か芸術か」騒動とその後
第4章 市川崑の明朝体表現と日本再発見 「ルパン三世」のタイプライター表現/ディスカバージャパンの時代性/『木枯し紋次郎』と『股旅』/デザインのジャポニズム/ジャパン・タイポグラフィへ /『犬神家の一族』への結実
最終章 市川崑明朝体のその後 市川崑タイポグラフィの展開/絵画的キャプションの応用/映像と文字が共鳴するクレジット/衰退する写真植字と『どら平太』/リメイク版『犬神家の一族』へ
7月12日に発売だそうです。買うか。
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