
スティーブ・ジョブズという人間に最初に興味を持ったのは、1987年か88年ぐらいにソフトバンク出版が出していた月刊誌「The Computer」の冒頭インタビュー記事にSunのビル・ジョイが出てた時に、インタビューの最後で「今、一番興味があるものは?」という質問に対して、
「スティーブ・ジョブズが高等教育市場向けに新しいコンピュータを作っているらしいのだけど、それが気になる」
みたいなことを答えているのを読んだ時です。
スティーブ・ジョブズって誰だろう?あのビル・ジョイが気になっているんだから相当すごいんだろうな、と思ったわけです。
でも、当時はインターネットも何もありません。なので調べるのも大変です。
会社に行っていろんな人に「スティーブ・ジョブズって人、知ってる?」って聞きまくった結果、Apple Computerを作った人ということがわかりました。そして本も出ていることを知りました。
さっそくその本を購入し読み出したのですが、その内容にびっくり。
普通その人についての本だったら褒めたり持ち上げたりするじゃないですか。ところがその本の中でスティーブはボロクソに書かれているわけです。完全に人間性が否定されていました。
その後もその他の書籍が出ていることを知り、それを買って読みましたがその本も同様にボロクソ書いていました。
さらにスティーブをAppleから追い出したジョン・スカリ-が書いた本があるのですが、この中でも最大限スティーブに気をつかいながらも結果的にボロクソな扱いをしていました。
やばい人なんだな、と思いましたよ。
それでもビル・ジョイが気にしているということが頭から離れずずっとNeXT Computerのニュースを毎日チェックしていました。
そしてついにNeXT Computerのデビューです。その模様を取り上げている海外のコンピュータ雑誌を買ってはわくわくしたものです。
その後、実際に稼働しているNeXT Computerを見る日が訪れます。そして完全にノックアウトされます。この衝撃は忘れられません。
その日からずっとNeXT社に入りたいなあ、と思うようになるわけですが、結果的に3年ほどかかって1992年にようやく入社することができました。
スティーブの下で仕事をしてみて一番最初に思ったのは「ああ、本で書かれている通りの人だ」というものです。
本読んでいた時はさすがにそこまでひどくないだろ、と思ったんですが、本当にその通りの人でした。
ただ、そういう部分はきついのですが、それ以上に惹かれる魅力の部分が強く、結果的にAppleに買収される最後まで在籍することとなりました。
世の中、スティーブ・ジョブズといえばAppleですが、私の中ではNeXTでしかありません。
おかげで人生の中でとてもエキサイティングな経験をさせてもらいました。これは私の人生の宝です。
ありがとう、スティーブ。









