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もし高校野球の女子マネージャーがコグレ・いしたにの「マキコミの技術」を読んだら(前編)

みなみが通っていたのは、「東京都立程久保高校」という公立の普通高校だった。
部活動そのものは盛んだったが、全国大会に出るような強豪は一つもなかった。

それは野球部も同じだった。

みなみがマネージャになったのは、夏の都予選に負けて三年生が引退した直後だった。

「私は、この野球部を甲子園に連れていきたいんです。」

その言葉に部員はみな否定的だった。

面白い - とみなみは思った。誰にも相手にされないからこそ、逆にやりがいもあるというものだ。それに、みなみには全くなんの味方もないわけではなかった。この頃までに、彼女は1つの強力な味方を得ていた。

******

野球部のマネージャーになって、みなみがまずしたことは合宿の時の食事の献立を考えることだった。

みなみは近所の大型書店に出かけてそこで料理の本を探すことにした。

平積みされた本の中に女の子のイラストの本があった。その女の子髪の毛はレストランのスパゲティのサンプルみたいに豚を巻き付けていた。イラストの中にはハンバーガーもあった。

「タキコミの技術」というタイトルの本だった。

「やっぱり日本人だったらお米よね。おいしいご飯が炊けてなんぼよね。」

そうして彼女は、中身も見ずにその本を買い求めた。値段は1500円と少し高かったものの、最近売れている本というのが気に入った。

本を買ったみなみは家に帰るとさっそくそれを読み始めた。しかし読んですぐに後悔し始めた。その本の中に、料理についての話がちっとも出てこなかったからだ。それは料理とは無関係の「ウェブ・マーケティング」について書かれた本だった。しかも「タキコミの技術だと」だと思っていたタイトルは「マキコミの技術」だったのだ。

本書は、企業のウェブやマーケティング担当者であり、同時に個人としてもソーシャルメディアに参加している人に向けて書いています。(「マキコミの技術」はじめに)

せめて料理について書かれているかどうかぐらいは確認すればよかった。せっかちにもほどがある。

それでも、すぐに気持ちを切り替え、その先を読み始めた。

ところがそうやって読み進めてみると。その本は意外に面白かった。また、単に「企業のウェブ・マーケティング」について書いてあるわけではないというのも次第に分かってきた。

こうした中で、周囲を「巻き込む技術」の重要性を感じている人は多いでしょう。一方で、周囲にうまく「巻き込まれる技術」も、無視できません。特に、ソーシャルメディアでさまざまな人と付き合うことを考えれば、「巻き込まれる技術」のほうが必要になる場面が多く、より重要度が高いと考えられます。(「マキコミの技術」P47)
企業の視点で考えると、マーケティング=仕掛けること=「巻き込む」こと、という印象が強いでしょう。しかし本書では、それと同じくらい「巻き込まれること」を大事だと考え、マキコミ、巻き込まれることによる「コミ」ュニケーションという意味を加えて、キーワード「マキコミ」としています。(「マキコミの技術」P48)

みなみは、そこに書かれていることを完全に理解できたわけではなかったが、何かとても重要で、だいじなことが書かれているというのはよく分かった。言葉の一つひとるが、とても重たく、また貴重なものとして受け止められた。

それに魅了されたみなみは、夢中になって読み進めていった。ある箇所で不意にコツンと小石のぶつかるような感覚を覚えた。

それは、本の中に書かれていたある言葉に目が留まったからだ、そこにはこう書かれていた。

必ず成功するハウツーはないが、着実に精巧に近づくためにはコツがある。(「マキコミの技術」P50)

それでドキっとしたのである。この言葉は「「マーケティング」「ブランディング」の枠を超えて」という章の中の見出しの1つだった。

それで、みなみはドキドキしながらその先を読み進めてみた。すると、そこにはこうあった。


・コツコツ「継続」によって土台を作る

・コミュニケーションは「ギブ&ギブ」の精神で

・敏感に「変化のきざし」を見つけ、対応する

(「マキコミの技術」P52ーP53)

その瞬間、みなみは電撃に打たれたようなショックを覚えた。そのため、思わず本から顔をあげると、しばらく呆然とさせられた。

後半に続く

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このブログ記事について

このページは、nagasawaが2011年1月10日 20:53に書いたブログ記事です。

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